完成車の納車前の作業
ナカザワジムではご購入いただきました完成車に関して、一度私の方で手を入れてからお客様にお渡ししております。
メーカー完成車というのは大概の場合は箱から取り出してタイヤをつけて、ハンドル・サドルを取り付けて、それぞれの安全確認と微調整をすることで乗れるようにはなっています。
メーカーによってはこちらがあまり手を入れなくてもすぐに乗り出せるように組み立てられているところと、かなり手を入れないといけないところがあります。
今回はあまり手を入れなくてもしっかりと組み立てられて出荷されているブランドのGIANTのエントリーユーザー向けモデルのATXで納車前作業の説明をいたします。
GIANTで組み立てられたバイクをわざわざばらさなくても大丈夫な部分もあるのですが、私自身が組み立て直しを行うことでバイクの状況をしっかりと把握する意味と、お客様がこれから乗っていく上で時間の経過とともに各部の点検・調整作業というものが必要になってくるので、そうした場合に一度こちらの方で手直ししておいた方が、作業をしやすいという部分があります。
箱から取り出すとこのような形になっています。
シートポストを差し入れする前にシートチューブ内を確認します。
バリなどがあった場合には綺麗に整えます。
もちろんGIANTの場合にはそういったことはほとんどありません。
シートポストを差し入れて、作業用スタンドにかけます。
場合によっては作業用のシートポストを入れます。
ヘッドパーツとフロントフォークの確認をするために、ハンドルバーを作業の邪魔にならないようにフレームもしくはバイクスタンドにリピートタイラップを使って固定します。
フロントフォークを外してまずはヘッドパーツから確認
GIANTの場合にはグリスがしっかりと塗布されています。
メーカーによってはスカスカなところがけっこう多いのです。
これは購入した方は自分でばらして確認しないとわからない部分なのですが、当店では一度外してグリスの状況やゴミや異物がないかをすべてのバイクで確認しています。
一度ヘッドパーツの上下ワンをきれいにします。
グリスを入れ直します。
続いてフロントフォークの確認をします。
塗布されていたグリスをふき取り、諸々の確認。
金属粉や金属片がついていることもあるフォークコラムやベアリングレースの状況を一度グリスをふき取り、諸々の確認をしてからグリスを塗布。汗や水が入り込みやすいフォークコラム内のスターファングルナットにもグリスを塗っておきます。
フロントフォークを取り付け、ステムハンドルも取り付けます。
そしてフレームをバリアスコートで磨き上げます。
続いてタイヤとチューブを外し、リムテープを外してからリムの内側にバリや異物がないかを確認します。
スポークテンションの調整をして振れ取りをします。
またスポークの馴染み出しをいくつかの方法を使ってやります。
その後にまたスポークのバランスを取ります。
カセットスプロケットを取り外してフリーボディにグリスを塗布。
またスポーク保護のためのプラスチックのプロテクターを外します。
今回はジュニアライダーが日頃乗るので取り付けたままにしておきました。
通勤で使うようなバイクの場合にも外さないことが多いです。
カセットスプロケットのロックリングにもグリスを塗布しておきます。
ディスクローターの増し締めをして、ホイールにリムテープ、タイヤチューブをとりつけてからリアディレーラーハンガーの取付ボルトを増し締めします。
そして前後のタイヤを取り付けて、ハンドルの角度調整やステムとのセンター位置チェック、シフター・ブレーキレバーの取付角度も調整しておきます。
クランクを外し、BBのグリスアップと増し締め。
その後取付直しをします。
リアディレーラーを外し、専用工具を使ってリアディレーラーハンガーの取付位置の確認をします。
具合が悪ければ調整します。
ブレーキレバーを乗られる方に合わせて初期位置を調整します。
ブレーキワイヤーにグリスを塗布します。
今回リアブレーキの調整の際にパットとローターがこすれてしまったり、反応が少し良くなかったので、フレームからキャリパーを取り外して状況を確認。
今回は前後平行が出ていなかったので、パッドを取り外して修正。
パッドの上下が平行になりました。
そしてブレーキワイヤーと取り付けて微調整。
ブレーキタッチがよくなるように、より調整をしていきます。
ブレーキを取り付けて調整した後は変速機の調整と専用グリスを塗布します。
その他各部のねじの締め付け確認や全体の微調整をします。
できあがりました!
この後は試乗チェックをして各部の状況の再確認。
あとはお客様に合わせてのセットアップをします。
ATXではエアサスペンションのセットアップはありませんが、セッティングの必要があるバイクに関しては必ずお客様のためのサスペンション初期セッティングを行います。
作業の全てを伝えきれてはいませんが、大体このような作業をしております。
皆さんにとって、楽しいサイクルライフ・マウンテンバイクライフのお手伝いを今後もしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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